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_作家略歴
カミト ユウシ
ドイツ留学を経て、川崎市在住  写真を中心に制作
1977年 7月 広島県生まれ
2007 ベルリン芸術大学でのマイスターシューラー課程修了
2002
ベルリン芸術大学入学、カタリナ=ジーヴェルディングに就く
2000
愛知県立芸術大学 油画科 卒業
_展示履歴
2011

「Color of Future」 ターナーギャラリー 東京、ドイツ

2009
「Stop the Morning」 GallerySource 東京、日本
2008

Meisterschülerausstellung」 UdK展示ホール ベルリン、ドイツ

2007
「Absolventenausstellung」 UdK展示ホール ベルリン、ドイツ
2006
「ausser-haus」 ベルリン、ドイツ
2003

「klasse Sieverding」Haus am Lützowplatz」 ベルリン、ドイツ

_制作について
見えそうで見えないもの、見たかったのに見ることができなかったものに興味があります。
むかし見た物事をふとした瞬間に思い出し、先見的に知っているイメージと実物を比較して今一度確認してみたいとういう衝動。
見たいという衝動があとから出てきても、それはもうそこにない。
どこかで見たことがあるのに、はっきりと見ることができない。
もし見ることができたとしてもそれは、既成のアーカイヴからでしかなく、とても部分的です。
例えばエルヴィス・プレスリーは、私の生まれた年に亡くなっていたこと。

中高生の頃、いわゆる「ヤンキー」や「不良」になる同級生達がいました。
私は彼らの当時の心理状態は(今もそうですが)理解できませんでしたが、彼らのファッションや趣味に先入観や嫌悪感を抱いていたのを覚えています。リーゼントやロックンロールは悪趣味なものと。
それをよそに学生時代は音楽にのめり込み、ハードロックからパンク、サイコビリーやガレージといった音楽を聴いていました。そんな音楽に傾倒する中、同時に作るものもやはり音楽にテーマを当てるようになります。
音楽も最初は現代のものを聴いていましたが、好奇心からどんどん年代を遡り、ついに辿り着いたのが40〜60年代のロックンロールやブルース、カントリーでした。
ロックンロールはその後の音楽もそうであるように、若者のカルチャーにも大きく影響を及ぼしました。逆説的に言えばカルチャーなしにロックンロールは語れないのです。そのカルチャーがまさにリーゼントなどに代表される、私が中高生の頃嫌悪していたものでした。
そしてそこに辿り着いた時には、すでに過去の嫌悪感は一種の「カッコよさ」に変わっていました。
しかしこういった嫌悪感もその後の再評価も、自分がその時代に生まれ、日常的に目の当たりにしていたらなかったのでは、と思います。
またその反面、自分がロックンロールが失われた現在を生きているからこそそれを追い求めるのかもしれないとも思うのです。

「もっと昔に生まれていれば」とか「見たかったのに見れなかった」というわだかまりはすべて時間の産物です。しかし私は時間に対し焦燥感やまどろっこしさを抱くとともに、時間が持つ奥深さに期待します。
そして私にとっての時間は、時間軸に支配される音や映像というメディアを用いてではなく、逆に「時間を止める」ことのできる写真というメディアでこそ定着できると考えます。
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